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「カトラリーをあげるよ」制作追体験 -詞・曲編-

appyです。本人です。普段はボカロピーなどの音楽活動をしております。

1stEP『Ōudon』では「カトラリーをあげるよ」という曲を担当しました。


Ōudonでは、1人が作った下地をみんなで好き放題こねくりまわして、下地を作った人が責任を持ってまとめるという方針を取っています。

我々はそれぞれ使用するDAW(音楽制作ソフトの総称)が異なるので、Satellite Sessions(これ導入したらみんなで一緒に同時に作曲できるよ〜ってやつ)というプラグインを使用して共同制作を行いました。

「ボーダーライン」の記事では、Ōudonの音楽制作が客観的に書かれていますが、この記事ではappyという個人の視点でお送りします。


カトラリーをあげるよ……!



「カトラリーをあげるよ」というタイトルには由来があります



みずみずナマズ・いちいいず・とーず・appyの4人で『シンウルトラマン』を観に行った日のことです。

映画を観る前にみんなでサイゼリヤ新宿西口エルタワー店に行きました。



机に料理が並んだ頃、いちいいずがみんなにカトラリーを配りながら「カトラリーをあげるよ」と言い放ちました。


それを僕は、めちゃくちゃに良い言葉だな!と思ってしまったので、いつかぜったいに曲のタイトルにするぞと個人的に決めていました。



そして、この日はとーずがやばかった。ペペロンチーノにトッピングの半熟卵を追加しておきながら、割って絡めたりせずに卵だけ最後に残して食ってた。あれは正気を疑ったね。


※後日、本人に聞きましたが「黄身が好きだから、マジで皿に少しでも付くのが許せなくて」って言ってました!みんなは納得できたかな?できないかも!!




さておき、Ōudonというこのメンツで曲を作るということで、せっかくだから前から曲にしたかったあの言葉をタイトルにしようと思い「カトラリーをあげるよ」を書き始めました。


Ōudonとして2番目に制作された曲です。



僕はŌudonの制作体制において、appyらしい平常運行の曲、かつ、シンプルな構成の曲を作りたいと思いました。


真正面から作ったものを大人数で好き勝手にしてもらうとどんな形に生まれ変わるのか、ということに興味があったからです。


「Ōudonらしい」という状態も固まっていなかった頃だったというのもあるね。この形態が音楽にどういう作用をもたらすのかっていうのを見たかったよ。




歌詞とメロディを書き上げたのち、最低限雰囲気が伝わるようなコード譜のみをDAW上に作りました。

僕はほとんど編曲にノータッチで、その後放置しています


ゆったり♪



放置している間「早いもの順」で音が入っていきます。


具体的に誰がどの楽器担当で……みたいなことはせずに、ドラムを入れ始めたひとがドラムをやり、ベースを入れ始めたひとがベースをやり……。



話し合いらしいことはほとんどせず、みんなの更新をみんなが確認しながら、自分の入れたい音を好き勝手に入れていきます。



この無茶苦茶な状態になってしまいかねない方式を取っているのに、知らない間に徐々に曲が完成してきます。しかも物凄く良い感じに


まるで元から完成形があって、それに向かっていくようですらあったね。



ゆったり♪2(ツー)



僕が種を投下してから経過一ヶ月程度

あっという間に「いよいよおれミックス(担当者の最終作業工程)しかやることないな」という状態になっていました。


10年間曲作りをしていますが、今までに無かっためちゃくちゃにおもしろい体験です。(そしてこれは僕が担当する以外の曲でも同様に起き続けていました)



それぞれの発想で、恐らくはそのひとしか入れないであろう音が、一曲という形で何故かまとまった雰囲気を放っていて、まるで何か、それこそ超常現象的なものに導かれるように、するすると完成していきました


つまり、僕も含めみんなが、「ちょろっと一部の作業したらなんか完成してた」みたいな状態だった。




この曲のVocalはどうしようか色々考えましたが、ŌudonはVOCALOIDに限らず音楽をやるというのが早々に決まっていたので、僕は自分の声と可不との共存を選択しました。


appyと可不の声が相性が良いということのは個人の活動でもずっと意識していることなんですが、それがŌudonの精神性にちょうど合致していたと思います。(おかげでライブのしやすい曲にもなっていましたね



妙すぎるライブのリハーサルようす(詳しくはまた別の機会に……!)




EP『Ōudon』はすべての曲が音楽作りの根源的なおもしろさを体現していると思います。

制作の間もずっと、ひたすらにおもしろかったです。そのエモーショナルが滲み出ていて聴いて伝わるのではないかと思います。


ぜんぜん凡庸じゃなかったかも!


次回の記事もおたのしみに。



appy

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